月ノ美兎を追っていると、彼女のマルチタレントっぷりに驚かされることもしばしば。彼女の多方面の魅力を、本誌では各方面の有識者へのインタビューを通じて解剖してみることにした。
そうして集まった5つのインタビュー、5つの「月ノ美兎の〇〇」をぜひ堪能あれ。
モコボ
GR
草野虹
池田模範堂
山野弘樹
モコボ
Profile
クリエイター。 イラスト・映像・CGによる創作をしている。 2019年に投稿された、月ノ美兎による『ネコミミモード』歌ってみた動画のMV制作を担当した。
1.モコボさんご自身について
イラストなどが好きでした。小学生の頃から電機メーカーのマ スコットキャラクターを題材にした漫画を描いたりしていました。家族内や、周囲になに か作っている人が多かったので、その影響かもしれません。
高校では美術部に入り、そこで絵を発表して賞を取ることもありました。しかし飽き性が災いし、今までやったことがないものに手を出したいと思い、大学では絵ではなく映像関係の専攻を選び、動画の知識を培いました。最近はCGにも手を出しています。CGは本格的に触ったのはここ2~3ヶ月の間です。今、絵と動画に飽きている最中です (笑)
高校を過ぎてから漫画やアニメは高校生以降全然読まなくなったり、周囲から『オタク』と呼ばれるような活動はあまりしてきませんでしたが、二次創作と呼べるものもここ数年の傾向で描くようになりました(けものフレンズなど)。色々な作品を経て、最近は月ノさん関連の創作が多いです。
Vtuberの存在自体は、キズナアイさんを始めとした『四天王』と呼ばれる方々の動画をちらほら見ていたので知っていました。月ノ美兎さんのことは、ニコニコ動画で切り抜きを見て知りました。
最初はベテランの声優さんか誰かがやっているのかと思ったんですが、そんなことは全くなく、現代を生きる正真正銘のJKだったことを知って「この女、めちゃくちゃ面白い人だ」と確信したのをきっかけに配信を観始め、その後もずっと観続けています。
それまで、YouTubeやニコニコ動画を見ることはあったんですが、サントラを作業用BGMにしたり、目についたゲーム実況を流し見するくらいで、ちゃんと腰を据えて動画を見ることはありませんでした。「今日はこの人の更新があるから楽しみだ」という感情を持ったのは、月ノ美兎さんが初めてです。
2.二次創作との関わり方について
刹那的なものを表現するときは動画やCG、抽象的なものを丁寧に伝えたいときは絵を描きます。
たとえば切り抜きだったら 「これは本当に切り抜き動画なのか?」と思わせてしまう領域まで編集したものを、自分の中の公開のラインとしています。面白かった部分を見やすくするための切り抜きではなく、一番ここがブチ笑ったという瞬間を印象付けることを常に重要視しています。最後に提供を入れたり、何か変なアクセントを付与するのは、ただの切り抜きだけで終わるのでなく、見る人の記憶に残すための隠し味です。
動画を作るときは1~2分の作品を作るようにしています。製作時間は根詰めてやると4~5時間程度、休憩しながらだと半日くらいかかります。飽き性でせっかちなので、動画も製作時間も、長くならないものが多いです。
作っている最中は脳みその別の部分が働いていて、楽しさとは別の物質が出ています。没頭の感情です。
コミュニケーションの一環として、公開した映像や絵に対するリアクションで人との繋がりを楽しむことを名目に、SNSを操作しています。創作における自主性は希薄です。相手のリアクションを引き出すことには飽きが来ず、観ていて楽しいです。だから創作と公開が続いています。
創作理由の根源には、必ず見せたい相手がいます。だから、自分の内面を表現するということは、コミュニケーションのための何かを提示するということが基本にある気がします。
僕が作ってる変な動画なんかはピンポンダッシュの感覚に近くて、それに関連する人間が反応したらしめしめ、と思います。
3.ネコミミモードのMVについて
ピンポンダッシュ感覚で作品を作っていたら、中から親父が出てきて捕まったという気分でしょうか。心臓が飛び出るかと思いました。
動画製作のご依頼を頂いたとき、自室で通知を見たですが「馬鹿じゃないの!?」って声が出ました。他にも頼める人がいるだろうに、何を僕に頼んでるんだろうって。
でも、僕の作品はハマる人にはハマるだろうし、指示された以上は自分が納得いくものを作ろう、絶対恥ずかしくないものをお届けしないといけない、と思いながら取り組みました。
どうせだらかぶちかましてやろうかな、ということで好き勝手作りましたが、未だに言及してくれる人がいて嬉しかったです。ライバー側の人から話題が出ると、心臓がキュッとなりますが(笑)
月ノ美兎さんからTwitterのフォローバックがあったくらいです。それ以外はいつも通りです。この動画自体、僕がいつもやっていることを、いつも通りやっただけでしたし。
様々な種類のフォロワーが増えて、賛否入り乱れる地獄のタイムラインが完成するかなと期待していたんですが、そんなことはありませんでしたね(笑) 好きな人が多かったようです。
4.月ノ美兎本人との関わり方について
月ノ美兎さんの最新の雑談は知らない土地で聴くようにしています。知らない土地の知らない建物を見るときのBGMが彼女の話声だったりするとなかなか楽しいです。休日前は残業帰りの真夜中に、ちょっと残ってるアーカイブを消化しながら知らない場所に行くんです。翌日は休みなのでガーガー寝る。オツな楽しみ方じゃないでしょうか。
月ノ美兎さんの動画が更新されることは生活の一部になっているので、活動を辞めてもらっては困りますね。
雑談が好きです。趣味嗜好がとにかく面白いし、自分が想定する発想ラインを気持ちよく飛び越えていく女性だなと思っています。かなりフラットな思考の人という印象で、高次元の上位的存在が箱の中のアリを見るような眼差しで人と世を見ている感覚を感じ取れて大好きです。そんな彼女の目を通して見た世界が好きです。
彼女は映像研究会に所属していて、彼女の思考や考え方にそれが色濃く表れているように見えます。僕を惹きつける理由の一つに、その事が関係しているのかも、と思っています。
映像に限らず、なにか制作をする人は、題材や主張、提示したい物を表現するために、物事の隅々を咀嚼して試行錯誤します。複雑な思考回路が彼女の発言からは確かに見え隠れしていて、同じようなことを考える自分にはとても共感性の高いものや、ときには良い意味で理解を超えたものがあり、聴いていて楽しいです。
独特でありながら一般常識や節度も持ち合わせている、脳みそのその容量に、こんな知恵のある人間でありたいなぁと、憧れや羨望とで学ばせてもらったり、一方で、いつかは出し抜いてやろうと思ったりしてしまう人です。(知らんけど!)
映像で月ノさんの制作物の一助として携わらせていただいた件に関して、ちゃんと挨拶をしたいですね。当時はいろんなものが途上の段階にあった時期でもあり、そんななかで選び出してもらった事に、感謝やいろんな気持ちがたくさんあります。
なので、「その節はドモ」という感じで挨拶が言えたらとても良いなぁと思っています。 地方住みのためなかなか難しいですが、機会があるならば、書面でなく「ドモ!」と言いたいです。